スリランカの移動手段：個人旅行者向けに安全で快適なおすすめの選択肢とは？

スリランカへの個人旅行を計画している方にとって、現地の移動手段は大きな不安要素ではないでしょうか。

特に初めて訪れる国では、安全性や利便性が気になりますよね。スリランカは日本の北海道の約0.8倍もの国土面積があり、観光名所も島内各地に点在しています。そのため、移動手段の選び方ひとつで旅の日程の充実度が大きく変わります。

本記事では、スリランカで利用できる主要な移動方法（列車・バス・トゥクトゥク・配車アプリ・タクシーチャーターなど）を網羅的に解説します。

それぞれのメリット・デメリットや費用感、そして安全面や快適性について比較し、どの交通手段が個人旅行者に最適かをお伝えしていきます。特に複数人で旅行する場合は、移動コストを人数でシェアできるため選択肢も変わってきます。最後には主要手段の比較表と要点まとめも掲載していますので、ぜひ旅のプランニングにお役立てください。

まず結論を言えば、限られた旅行日程を有効に使い安心して観光を楽しむには、最終的にタクシーチャーター（貸切タクシー）が最も魅力的な選択肢となります。本記事を読むことで、その理由と他の交通手段との比較ポイントが明らかになります。

それでは早速、それぞれの移動手段について詳しく見ていきましょう。

鉄道で移動する（列車の旅）

スリランカの鉄道（Sri Lanka Railways）は19世紀の英領時代に建設された歴史ある鉄道路線です。

コロンボを起点に主要都市へ約1,560kmの路線網が広がり、ディーゼル機関車がカラフルな客車を牽引する姿は旅情たっぷり。特にキャンディ〜エラ間の山岳鉄道は「世界で最も美しい車窓風景」と称されるほど人気が高く、紅茶畑や渓谷、美しい滝の眺望を楽しめます。

また、コロンボからゴール経由で南部マータラへ至る沿岸部の路線では、インド洋の青い海を眺めながらの爽快な列車旅が魅力です。

メリット: 鉄道移動の最大の魅力はやはり景観と雰囲気です。窓から手を伸ばせば触れられそうな緑の茶畑、ゆったり流れる車内時間──移動そのものが思い出になるでしょう。料金も非常に安価で、たとえばコロンボ～キャンディ間（二等車）は数百スリランカルピー程度（日本円で数百円）とコストパフォーマンス抜群です。主要都市間を結んでいるので路線によっては観光地をいくつか鉄道で回ることも可能です。

ちなみに後述するタクシーチャーターでも、列車を楽しむことも可能です。乗車する駅まで送ってもらい、降車する駅で再びPick Upして貰えばいいだけですからね。

デメリット: 一方で時間と快適性を重視する旅行には鉄道はあまり向きません。列車の本数は少なく、所要時間も同距離の車移動よりかなり長くかかります。人気路線では乗車券が満席で入手困難なこともあり、特に観光客に人気の高山鉄道（キャンディ〜エラ間）は予約なしでは座席どころか乗れない場合もあります。また多くの列車は冷房がなく混雑時は立ちっぱなしになることも。スリや置き引きなどの軽犯罪に遭うリスクもゼロではありません（実際、混雑した列車内での窃盗被害は報告されています）。スケジュールに余裕があり、「移動も旅の醍醐味」と考えるバックパッカー向きと言えるでしょう。

バスで移動する：安価だが上級者向け

スリランカ国内でもっとも一般的な足は路線バスです。

赤い車体の国営バス（SLTB）と青やカラフルな民営バスがあり、数分おきに主要道路を猛スピードで走り抜けていく様子はスリランカの日常そのもの。

ローカルバス網は非常に発達しており、首都から離れた田舎の村まで含め島内ほぼ全域にバスで行くことができます。運賃も驚くほど安く、1kmあたり数ルピー（数円）程度、たとえばコロンボ～ゴール間約120kmでも数百円程度と、長距離でもほとんど財布に響きません。

メリット: 圧倒的な安さと路線の多さがバス移動の利点です。電車が通っていない地域や細かな目的地へもバスならアクセス可能で、本数も頻繁です（主要都市間なら始発から終バスまで次々とやって来ます）。ローカルな雰囲気を味わいたい旅行者にとっても、バスは現地の人々との距離が近くエキサイティングな体験になるでしょう。また主要都市間には「インターシティ」と呼ばれるエアコン付き高速バスや大型バスも運行しており、通常のノンエアコンバスより多少快適で速度も速いです。

デメリット: 快適さと安全性に難ありなのがバスです。車内は常に満員で座席がボロボロなものも多く、運転も非常に荒いことで有名です。ドライバーは競うように猛スピードと急ブレーキを繰り返し、クラクションと大音量のシンハラ語ポップが鳴り響く中、乗客は振り回されながらしがみつく…というのが日常茶飯事です。山道では猛烈なカーブでスリリングな揺れが続き、酔いやすい人には酷な環境でしょう。安全面でも、日本の外務省が「バスの安全水準は日本に比べ非常に低い」と警告しているほどで、整備不良や無謀運転、保険未加入のケースも多々あります。実際、ローカルバスの事故率は高く、乗車中のスリ被害（ひったくり）報告もあります。また路線や降車場所は基本的にシンハラ語表記か現地語でアナウンスされるため、言葉の壁も大きなハードルです。初めての旅行でバス移動をフル活用するのはやや上級者向けと言えるでしょう。

トゥクトゥク（三輪タクシー）で移動：短距離の足として

スリランカの街角を彩る三輪タクシー、通称トゥクトゥク（Three-wheeler）は、現地で非常にポピュラーな短距離移動手段です。屋根付きオート三輪に運転手と後部座席というシンプルな乗り物で、その愛嬌ある見た目とエンジン音「トゥクトゥク…」からこの名で呼ばれます。

町中なら手を挙げればすぐ捕まるほど数が多く、観光客にとってもホテル〜レストラン間や近場の観光のちょっとした移動に便利です。

メリット: トゥクトゥクは手軽で機動力抜群です。細い路地にも入れて小回りが利くため、渋滞時でもスイスイ進めます。オープンエアな乗り心地は開放感があり、街の喧騒や風を肌で感じながら移動するのはエキゾチックな体験でしょう。料金も短距離であれば安く、数kmの移動なら数百ルピー（数百円）程度と手頃です。観光地では「安く案内するよ！」と声をかけてくる運転手も多く、交渉次第では貸切的に何時間か観光に付き合ってもらうこともできます。

デメリット: トゥクトゥクは長距離移動には不向きです。エンジンパワーや車体の安定性が低く、高速道路や長距離を走ると時間がかかりすぎる上に乗客も相当疲れてしまいます。車体が小さくシートベルトも無いので安全面では不安が残りますし、雨季には吹き込みや水しぶきで濡れることも。さらに旅行者が利用する際は料金交渉の難しさが付きまといます。メーター付きトゥクトゥクもありますが、観光客相手では敢えてメーターを使わず高額請求してくるケースも少なくありません（いわゆるぼったくり）。言葉が通じにくい中で値段交渉するのはストレスになりがちです。このため、現地の配車アプリ（後述するUberやPickMe）を使ってトゥクトゥクを呼ぶのが安心です。アプリ経由ならあらかじめ料金が表示され適正価格で乗れる上、目的地の指示も地図上で完結するため言語のハンデも軽減されます。

総じてトゥクトゥクは「近場を手軽に移動したいときの足」と割り切って使いましょう。遺跡巡りなどで遠方へ行く場合は別の手段を選ぶのがおすすめです。

タクシー配車アプリ（Uber／PickMe）を利用する

近年、スリランカでもスマホによるタクシー配車アプリが普及してきました。

代表的なのがUber（ウーバー）と、スリランカ発の現地アプリPickMe（ピックミー）です。特にPickMeはスリランカ国内利用者No.1の人気アプリで、言わば「スリランカ版Uber」のような存在。スマートフォンから乗車地点と目的地を指定すると、近くの車両（乗用車やトゥクトゥク）が配車される仕組みです。

メリット: 配車アプリ最大のメリットは安心で簡単なことです。アプリ上にあらかじめ運賃が表示されるため、料金交渉の必要がなく不当な上乗せ請求を避けられます。さらに車種やドライバーの名前・車両番号も事前に確認でき、到着予想時間もわかります。言語面でも、行き先は地図上で入力するだけなのでドライバーと細かな会話をしなくても目的地まで連れて行ってもらえます（多少の英語や現地語が話せなくても問題ありません）。都市部では数分で車がつかまるほど普及しており、料金も通常の白タク交渉より割安で済むことがほとんどです。例えばコロンボ市内の移動であれば数百～千ルピー台（数百円程度）で、多くの日本人旅行者も空港送迎や市内観光に活用しています。

デメリット: 配車アプリは使えるエリアが限定される点に注意が必要です。Uberは主に首都コロンボ周辺のみ、PickMeもコロンボや主要都市圏では便利ですが、田舎の観光地ではそもそも車両がほとんど登録されていません。都市から離れた場所で呼ぼうとしてもアプリ上で車両が見つからない、というケースもあります。また長距離移動をアプリで依頼するとドライバーに敬遠される場合もあります（片道だけ乗せても復路の客が取れず不利になるため）。さらに、地方では配車アプリで呼んだ車が既存の地元タクシー・トゥクトゥク業者に嫌がらせを受ける例も報告されています。こうした理由から、配車アプリはあくまでコロンボなど都市部や近距離移動で便利な手段と考えましょう。

料金面では、短距離なら安いものの長時間のチャーター利用には向きません。都度配車し直す手間もあるため、スポット的な移動手段として割り切るのが賢明です。なお、支払いは現金またはクレジットカード（アプリ連動）に対応していますが、現地では小額紙幣の用意と現金払いが無難です（カード払いを嫌がるドライバーもいるため）。総じて、都市滞在中の移動や、トゥクトゥク代わりに安全な車移動をしたい場合に役立つでしょう。

その他の移動手段：レンタカーや国内線

上記以外にも、旅行者によっては自分で運転するレンタカーや、国内線航空機という選択肢もあります。レンタカーはコロンボなどで借りることが可能ですが、スリランカの道路事情に不慣れな方にはあまりおすすめできません。

左側通行で日本と同じとはいえ、運転マナーは大きく異なり、先述のようにバスやトゥクトゥクが無謀な割り込みをしてくる道路で運転するのは非常に神経を使います。保険や万一の事故対応の不安もあり、短期旅行であれば運転手付きの車を依頼したほうが安全で快適でしょう。

また、国内線についてはCinnamon Airなどが水上飛行機や小型機を運航しています。コロンボから一部の主要観光地まで飛行機でひとっ飛びでき、時間短縮にはなりますが、運賃が非常に高額で本数も限られます。ラグジュアリーな旅行や特別な事情がない限り、一般の個人旅行では利用機会は多くないでしょう。

タクシーチャーター（貸切タクシー）：最も安心・便利な移動手段

ここまで公共交通や自力移動の手段を見てきましたが、多くの個人旅行者にとって最も安心かつ効率的なのがタクシーチャーター（貸切タクシー）です。

タクシーチャーターとは、運転手付きの車両を貸し切って移動するサービスのことで、専用車を決めた時間や日数利用できます。現地ツアー会社や専業のチャーター会社を通じて事前予約するのが一般的で、空港送迎から数日間の周遊までニーズに合わせて手配可能です。

こうした利点から、限られた旅行期間で効率よく各地を巡りたい個人旅行者にはタクシーチャーターが最適解となります。実際、スリランカ在住者やリピーター旅行者の多くも、主要観光地巡りには信頼できるチャーター車を使うことを勧めています。

デメリット: 強いて言えば、コストが割高な点がデメリットです。公共交通に比べれば1日あたり1万円以上と高額に感じるかもしれません。ただ前述のとおり人数次第で割安になり、得られる時間や快適さの価値を考えれば妥当と言えるでしょう。また現地で安易に非公式の白タクに頼むとトラブルに巻き込まれるリスクもあるため、信頼できる業者選びが重要です。

タクシーチャーターを検討するなら、現地政府公認で日本人利用実績も豊富な「スリランカタクシーサービス」（Sri Lanka Taxi Service）を利用するのが安心です。

このサービスは日本語による事前相談や予約が可能で、要望に合わせて最適なドライバーと車両を手配してくれます。

利用者の口コミ評価も高く、日本語ヘルプデスク常設・キャンセル料無料・追加料金なしの明朗会計など、初めての個人旅行でも使いやすい特徴が揃っています。私たち日本人旅行者にとって言葉や安全面の不安を解消してくれる心強い存在でしょう。

主な交通手段の比較表（安全性・利便性・コスト等）

それでは、以上で紹介した移動手段について安全性・利便性・コスト・快適性・言語サポートの観点で比較してみましょう（◎=非常に優れる、○=優れている、△=やや劣る、×=劣る）。

移動手段	安全性	利便性	コスト	快適性	言語サポート
鉄道（列車）	△ （事故少ないが混雑時盗難注意）	△ （路線限定・本数少）	◎ （非常に安い）	△ （座席状況次第）	△ （英語表記多少あり）
路線バス	× （運転荒く事故リスクあり）	○ （網羅性高いが難易度高）	◎ （ほぼタダ同然）	× （混雑・揺れ激しい）	× （表示案内ほぼ現地語）
トゥクトゥク	× （車体脆弱・保険不安）	○ （いつでも捕まる）	○ （短距離は安価）	× （暑さ・揺れあり）	× （要現地語or英語交渉）
配車アプリ	○ （評価制度で比較的安心）	△ （都市部のみ有効）	○ （適正価格）	○ （車種による）	○ （アプリで補える）
タクシーチャーター	◎ （プロ運転・信頼性高い）	◎ （ドアツードアで自由）	△ （※複数人で◎）	◎ （冷房車で快適）	◎ （日本語対応可）

※上記は一般的な傾向の比較です。実際の状況や感じ方には個人差がありますが、旅の優先事項（安全重視か、予算重視か等）に応じて参考にしてください。

ご覧のとおり、総合的に判断するとタクシーチャーターが安全性・利便性・快適性において頭一つ抜けています。

特に初めてのスリランカ個人旅行では、多少の費用はかかっても信頼できる専用車を確保することで、旅全体の満足度と安心感が格段に向上するでしょう。

まとめ：個人旅行ではタクシーチャーターが安心・快適

スリランカの移動手段について、主要な選択肢とその特徴を比較してきました。それぞれに一長一短がありますが、限られた時間で効率良く安全に観光したい場合、やはりタクシーチャーターの利用が最もおすすめです。特に複数人での個人旅行なら、一人あたりの負担も軽くなり、快適な専用車でストレスフリーに旅程を回ることができます。

もちろん、鉄道で絶景を楽しんだりローカルバスに乗ってみたりするのも旅の醍醐味です。時間と体力に余裕があれば、そうした公共交通をスポット的に体験してみるのも良いでしょう。

ただし安全面には十分注意し、貴重品管理やスリ対策は怠らないようにしてください。外務省も指摘しているとおり、スリランカのバスや三輪タクシーは日本に比べ安全水準が低いため、信頼できる移動手段を確保する意識が大切です。

総括すると、個人旅行の強い味方は「専用車＋ドライバー」です。中でもスリランカタクシーサービスのように日本語サポートがあり実績のある会社なら、初めてでも安心して利用できます。移動の心配をプロに任せてしまえば、あとは思い切りスリランカの魅力を楽しむだけ。安全・快適な移動手段を確保して、南アジアの宝石箱と称されるスリランカを存分に満喫してください！